ベルリンレポートより 吉川晶子(Art of Wisdom) |
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我々「TRUTHS: A STREAM」一行は、スイス航空にて、成田を飛び立った。チューリッヒ経由で15時間以上かかり、夜9:30に着いたベルリンのテーゲル空港には、映画祭のスタッフが迎えに来てくれていた。時間のあまり無いというスタッフの運転する疾走する車中から見たベルリンの街は、静寂の似合う、美しい街であった。重厚で直線的な建造物が立ち並び、戦勝記念塔・ジゲスゾイレはうっすらとライトアップされていた。20分程経つと、ポツダム広場に近づいて来た。そこは、ベルリンの壁のあった地区の近くに、首都機能移転にともない新たな中心地として開発され、今回から新たにベルリン国際映画祭のメイン会場Berlinale Palastや、数々の映画館(シネマコンプレックス)の立ち並ぶ近代的空間であった。巨大な映画ポスターが点在し、ベルリン国際映画祭のメインマークである熊の描かれた旗が翻っていて、映画祭ムード一色であった。しかし、その一画にあるフォーラムの事務所に立ち寄り、熱心に立ち働くスタッフたちの歓迎を受けて初めて、映画祭に来たんだという実感が沸いて来た。ホテルまでの車中からは、雪のちらつくベルリンの景色が見え、明日からの出来事に期待せざるを得ない心境であった。 |
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2月13日( 日)
まず、フォーラムの事務所へ行き、持参したポスターを貼ったり、パンフレットを置く作業をする。事務所には、各国のフィルムメーカーがひっきりなしに出入りをしている。そんな中、フォーラム部門のディレクターであるグレゴール氏とグレゴール夫人、スタッフをしているミレーナ・グレゴールが、我々のところに来て、歓迎してくれた。我々も彼らに合う事が出来き、大変光栄であった。 その時、グレゴ−ル氏から、喜ばしい話を聞く事が出来た。グレゴール氏が言うには、『TRUTHS: A STREAM』を前もって、関係者にビデオで観せたところ、この作品を待望している映画館主が多くいる。もっとじっくりと拡がっていく作品かとも思っていたが、驚く程の反響だ。我々フォーラムの母体団体(Freunde of the German Film Archive)では、配給の仕事も行っている。この作品のように意味深い作品は、是非扱いたいので、我々と契約して欲しい。」とのことだった。この作品が、ドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)で、一般公開されることは、この作品の特質上重要なことであると考えていたので、大変嬉しいニュースであった。詳細は、後日打ち合わせることとなった。
その後、メイン会場のBerlinale Palastへ向った。エントランスの横に設置されている巨大なスクリーンにはジャンヌ・モローの姿が映し出され、マイルス・デイビスのトランペットが流れていた。「死刑台のエレベーター」であった。今回のベルリンでは、ジャンヌ・モローとローバート・デニーロの特集上映も組まれていて、ジャンヌ・モロー本人もオープニングの頃にベルリンに来ていたらしい。とにかく、会場に入り、地下のプレスセンターへ行った。そこには、世界中の名立たる新聞、雑誌の1400個以上はあるメールボックスが立ち並び、奥には、記者会見場、各国のプレスが利用できるコンピュータルームもあり、設備は、大変充実しているようであった。そこにも許可をとって、ポスターを各所に貼り、パンフレットも少しでも目立つところに置き、次に、マーケット会場のNew Chinema from Japanのブースにて、西村さん初め、スタッフの方達から状況を聞き、明日からの上映のPRに奔走した。
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2月14日(月)
14:00からChinemaxX 5での、プレス試写の準備のために、会場へ向う。「TRUTHS: A STREAM」は、スタンダードであるが、フレームが大きい為、映写のためのサンプルプリントを用意している。そのテスト試写を行ってから、各国のプレス関係者が集まる中、上映が始った。 |
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