「TRUTHS:A STREAM」撮影レポート(1)

使用したフィルム
槌橋監督の描いた世界『TRUTHS: A STREAM』は、あくまでも作為性のない純粋で自然な心の内面の思索描写の映像世界で自然の中で人間の映像構成中心で出来ています。作品のほとんどの部分は 白黒の撮影ネガでポジはカラーを使っています。現場の撮影は、16mmネガ撮影し編集してブローアップ35mmネガ原板を作っています。基本の考え方としてネガのブローアップ処理が最後にある為、γは 空の青空のハイの部分も、顎を引いている直射の無いフェーストーンも両立できるようにネガのγを寝かして低くおさえ ラチュードで出来る限り広く設定しようと考えました。

現場撮影に使用したのは
撮影ネガフイルム EKno.7231/EKno.7222 /EKno7245/EKno7277
ラッシュの ポジフイルム EXR7386
35mmネガを作る為 デープネガEKno.5244(これが最終編集原板になる)
35mmブリント EXR5386
 

使用したキャメラ/レンズ
アリフレックス16SR/バリオゾナー10mmから100mm/キノプテック5.7mm/ツァイス8mm/ウルトラセット9mm/12.5mm/16mm/25mm/を使用しました。

実行感度確認設定
実行感度設定は、現像時間との関係と現像液の温度との関係から設定されます。現像時間を短く設定するか 現像液の温度を下げるととγは寝て低くなります。時間を長くするとハイコンの表現に適したネガになります。ラチュードは、カラーの場合は通常6段プラスですが、寝かした白黒ネガでラチュードを上2段下2段までに表現出来るかの考えかたでテストしました。現像時間を短くするのにも機械的限界が有ります。

Kodak公式発表データ フイルムタイプNo.7231
γ0.65〜0.70 に現像の場合        昼光80      タングステン 64
東映化工の場合は、Kodak推薦のγにする為の現像時間は、2分30秒に設定しています。現像液の温度は、変更すると他の作品との関係で実行できず、現像時間のみのトライとなりました。なお現像液温度は、21℃です。私は、現像場の安齋氏との相談の流れの中で仮説的に考えて、γの寝て低い数字を0.5としてみたらと考えてみました。タイムγテストは6タイプ 1分=γ0.38/2分=γ0.58/2分30秒=γ0.65/3分=γ0.71/3分30秒=γ0.75/10分=γ1.15となりました。まずは希望のγを0.5近い設定で再テストして1分20秒でγ0.5となり今回の基本現像時間にしました。その後現場に入ってからは、20秒ごとのノッチの変更で1/3絞りの変更に対応させてテスト現像し本番現像するシステムにしました。

Kodakの7231撮影現場実行感度の設定。テストのやり方は、六段階グレーチャートを任意の感度にて5段階の撮影をして3番のグレーを濃度測定してもらい、その濃度が0.7になるポイントを探し実行として確認する方法です。今回C-1asa80設定EV10.6で濃度0.73、C-2asa100設定濃度0.69、C-3asa125設定で濃度0.66、C-4asa160設定で濃度0.61、C-5asa200設定で0.56 と結果がでました。私は、昼光感度をasa64と設定しました。NO.7231のテストは1分現像の場合の実行感度テストも行いました。やり方は同じ方法でasa64と設定したところが濃度0.70となり感度64と設定の幅と考えました。

Kodak公式発表データ フイルムタイプNo7222
γ0.65現像の場合              昼光250    タングステン200
東映化工の場合は、Kodak推薦のγ0.65にする為の現像時間は3分0秒に設定しています。現像液温度は、21℃です。     
仮説的に考えて、γの寝て低い数字を0.5としてみたらと考えてみました。タイムγテストは6タイプ 1分=γ0.33/2分=γ0.47/2分30秒=γ0.50/3分=γ0.56/3分30秒=γ0.60/10分=γ1.15となりました。考えてγを0.5の設定として2分20秒でγ0.5として今回の基本現像時間にしました。その後現場に入ってからは、20秒ごとのノッチの変更で1/3絞りの変更に対応させテスト現像し本番現像するシステムにしました。

Kodakの7222撮影現場実行感度の設定。テストのやり方は、六段階グレーチャートを任意の感度にて6段階の撮影をして濃度測定してもらい3番のグレーの濃度が0.7になるポイントを探し実行として確認する。今回C-1asa160設定EV10.6で濃度0.94、C-2asa200設定濃度0.85、C-3asa250設定で濃度0.83、C-4asa320設定で濃度0.77、C-5asa400設定で濃度0.71、C-6asa500設定で濃度0.66 と結果がでました。私は、昼光感度asa320と設定しました。

フイルターファクターの設定
今回は撮影期間が長くゼラチンは消耗も激しいのでグラスを使用することにしました。
18パーセントグレーを撮影して濃度測定し、各フイルターをかけ撮影し濃度測定し、そ
の差をノッチNの差としてFナンバーに換算してファクー設定しました。ノーフイルターで濃度は、0.63でした。ラッテンNo.25として ケンコーNo.R1濃度0.43とでて0.20の差があり8Nであり1絞りと考えました。ラッテンNo.16としてケンコーNo.YA3濃度0.49とでて0.14の差があり6Nであり3/4絞りと考えました。ラッテンNo.12としてケンコーNo.Y2濃度0.61とでて0.02の差があり1Nであり1/8絞りと考えました。ラッテンNo.56としてケンコーNo.POO濃度0.61とでて0.02の差があり1Nであり1/8絞りと考えました。ラッテンNo.58としてケンコーNo.PO1濃度0.41とでて0.22の差があり9Nであり1と1/8絞りと考えました。現場使用はこの5タイプでやる体制にしました。

ファインダーサイズと映写サイズ
撮影前の最後のスタンバイは、現場撮影時のファイダーフレームと映画館のスクリーサイズの確認でした。16mmでの撮影したアパーチャサイ35mmアパーチャサイ基本的にちがいます。ブローアップ時に16mmがぎりぎりのスタダードサイズが35mmの時は、上下にだいぶ余裕があります。そ16mmのアバーチサイズより、少し狭いサイズで35mmにブローアップしたサイズを、監督の意向により今回の槌橋組の基本サイズと決定しました。35mmにすれば上下に映写枠としとてはそれなりの余裕があります。

ブローアップ時35mmのフイルム上下のサイズ

   

撮影現場使用16mmのフイルム上下のサイズ

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