机上のファクターから実際のファクターへ オープン撮影中心の今回の撮影で撮影者として楽しくもあり難しかったのはフイルターの使用です。濃度の低い青空と太陽光の反射した濃度の薄いリーンと蕪を引いた状態のフェースとのワンフレーム上での成立には、フイルター無しには撮影できません。補色関係の反対の色相のフイルターが反対色の色相に効果があり、カラーの場合のマジックアワー時のラチュウドにはまる撮影の考えかたのように設定できる訳です。ですから青空は赤いフイルターがもっともきき、フエースには 薄いグリーンがききます。私は、現場の青空の濃度に感じてロングショットの撮影はとくに楽しい撮影でした。問題はそのファクターの設定です。現実の可視の映像の世界での色相に対する判断でファクターの読みは、大きく変わってきます。すなわち効果の期待する色相に対して効き 効果の無い色相には、単にアンダーとしての効果しかありません。フレームの中の色相の構成比を考えなければならないのです。赤/朱/緑/ の色のフイターが白黒撮影の基本のフイルターになります。現実に判断の行き詰まった時は、ポラの撮影結果を参考にしました。(使用フイルムFUJI EP-400B5です。)しかしポラは所詮ポラであり過信は禁物です。それは、動画と一枚の写真にある印象の根本的違いです。動画は あくまで狙いの部分に感情や思考が行き一枚の写真はその全体映像に関心が向くからです。そのカットに表現したい中心は何なのかを考えればおのずと結果に向かうはずです。何回も監督の作者としての指摘に導かれ撮影を継続できまた。監督の言ってる無照明とはライトを使用しない撮影ですが それにもましての判断は、撮影していい現場の選択であり、自然条件の撮影へのマッチする瞬間をどのように判断するのかと言う事です。自然界の配光の中にどのように人物を配置するかは 監督の繊細であり光りと闇を芝居に利用する狙いは撮影者として楽しい思いです。
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